年下の不良くん
「いらっしゃいませ、りりかちゃん」
自己紹介をした訳でもないのに、名前を呼ばれてびっくりした
「え、どうして名前…」
「あぁ、翔がね」
あ、そういう事か
「ちょ、余計な事は話すなよ」
ギロリとお兄さんを睨んだ、翔くん
「いいからお前は接客に集中しろ
あの席の注文聞いてこい」
チッと舌打ちをして翔くんは向こうに行った
「初めまして、翔の兄の晃(ヒカリ)です
よろしくね」
「いえ、こちらこそ紹介遅れてしまってすいません
岡本りりかです」
「うん、翔からいろんな事聞いてるよ
あんな奴の彼女になってくれてありがとね」
「あ、いや、そんな…!!
私には勿体無いくらい、良い人です!!」
「喧嘩とか頻繁にしてる不良なのに??
まぁ、最近はそんな事少なくなったみたいだけど」
「はい」
「喧嘩、止めるように仕向けてくれたの、りりかちゃんなんだって??
ありがとう
もう俺ホント、りりかちゃんに感謝の心しかねぇわ」
「えっ、いえ、そんな止めるだなんてしてないですよ!!」
喧嘩でボロボロになって帰ってくる翔くんを見たら、痛そうで泣いてしまっただけなのだ
止めるとか、そんな格好良いものはしていない