年下の不良くん
「しかも半同棲中なんだって??
まぁ、うちんとこの親は仕事人間だから、実家に帰りたくねぇ気持ちはわかんなくもねぇが…
それでもホント、迷惑野郎だな」
「いえっ、そんな事は…!!
逆に一人なんかより全然いいんです
翔くんが居てくれてるから、毎日が楽しいです」
「……羨ましいくらい愛されてんな、アイツ」
微笑む私を見て晃さんがそう小さく呟いた言葉は、ドアのベルの音でかき消されて聞こえなかった
「いらっしゃいませー
あ、りりかちゃんは何か食べる??
うちは、ケーキ類がオススメだよ~」
差し出されたメニューに、大好物のチーズケーキがあった
「これとホットコーヒーでお願いします」
「はーい、かしこまりました~
ちょっと待っててね~」
数分後、ケーキとコーヒーが、晃さんのスマイル付きで差し出された
「ありがとうございます」
いただきます、と合掌をしてパクリ…
「──美味しい」
ケーキが看板メニューになるのがわかる
そう言われてみれば、周囲のお客さんもケーキを食べている人が多い