鬼龍‐金色の覇者‐



《……ぉはよ……?》


「今日学校ですよ。」


《…今、…何時…?》


「十一時です。」


《あ゛ー…。…悪い……、今から行く。》



完璧、藤夜からの着信で起きましたよ、全開の姫蝶。



「どうだった?」


「寝てましたね。」


「うわぁ。」



耳からスマホを離した藤夜に首をかしげた秋は、藤夜の言葉に再び顔を青くした。










藤夜からの連絡で目を冷ました姫蝶は、寝起きでフラフラしながらサッと身支度を終えた。



『朝飯はー…、まあ良いか。お昼近いし。』



カバンを持ち、ふと顔を上げるとキャビネットの上に置かれた一つの写真立てに目が行く。

その写真に写っているのは三人の子供。



『…い…ってきます…』



パタンと玄関のドアが閉まった。



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