鬼龍‐金色の覇者‐
――…が、その願いは叶わず。
「ねぇ、アンタ見かけない顔だね。何処のクラス?」
「つかスッゴい美人だよね。肌とか真っ白じゃん。」
「羨ましぃ。」
甘ったるい声。香水と化粧の匂いが混ざって気持ち悪い。
最悪、と思いつつ早く迎えが来る事をさっきよりも強く願う。
すると、何も言わない姫蝶にムカついたのか勝手な事を言い始めた。
「何、アンタ無視ぃ?感じ悪ーっ。」
「あ、もしかして、制服着てるだけで此処の生徒じゃないとか。」
「まさか〝あの人達〟の追っかけ?」
「はぁ!?だったらさっさと帰れよッ!」
やっぱり〝アイツ等〟に関わるとろくな事がない。
呆れながら姫蝶は口を開いた。