夏物語
「雛雛雛!スイカ冷えたかな?」



あ、しっぽが見えるよ。
ご飯を待ってる犬のようにね。


しかし私はそんな呑気なことを言っている余裕はないのだ。





薫くんと二人きり。
朝あんなことがあったんだから、意識しない方が無理な話だと思う。





「まだですよ。ばあちゃんが帰ってきたらです。」




「じゃあ朝の続きしていい?」



にっこり笑う薫くん。




上半身だけ体を起こしている私に跨ってきた。


「ちょ、何してるんですか!」



「寝てる時に手ださなかったんだから大目に見てよ。」



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