夏物語
「雛。」



薫くんはぎゅーっと私を抱き締めた。




「ずっと…小さい頃から雛しか頭になかった。」



私は忘れていたのに。


「いつも雛のこと考えてた。」



頭を預けると、薫くんの匂いがして落ち着いた。



「久しぶりに雛にあって、雛が可愛くなっててマジ焦った。」




可愛くなんかないのに。




「好き。」
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