夏物語
「大事な人がいるからごめんって言ったでしょう?」



まだ花火は上がる。


お願いだから私の顔を照らさないで。



「雛は俺のだよ。」


いままで黙ってた薫くんが口を開いた。



私がいままで聞いたことのないような怒気を含んで。


「お前…なんなんだよ。俺はもうずっと好きだったんだぞ!今さら諦められねぇよ!」





「お前に雛の何がわかるんだ。」
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