夏物語
シャワーを浴びてリビングに行くと、見知らぬ男がゴロゴロくつろいでいた。




…お兄ちゃん?



いやまて
私は一人っ子なはずだ。



まさか、生き別れの…?


「雛?」


「は…はい?」



どうして私の名を?


やっぱ生き別れのお兄ちゃん?


「あの…誰ですか?」



のそっと起き上がるその人は夏に似合わずすごく白い。


「私の友達の息子の薫くん。夏休みいっぱいうちに泊まるらしいわ。ちなみにアンタら小さい頃よう遊んでてんで?」



「へー。」




「雛、久しぶり。」


こっちを向いてニコッと笑う薫くんて言う人。



あれ?
おっかしーな。



全然思い出せないや。
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