幸せになりたい
いつものように飲みに来てしまった。

しかも、あいつが言っていたお店だ。

別に待っているわけで決してない。

ただ…このお店が私をリラックスさせてくれる唯一のお店だからだ。


『マスター…ロックで…』

「琴音さんどうしたの?
 初めっからで大丈夫?」

『ありがとう。でも酔いたい気分なの…お願い』

「はいよ。でも無理しないでくれよ。
 琴音さんは大切なお客様なんだから…」

そういうと、いつのように手際よく私の前に琥珀色の飲み物を用意してくれた。

何杯目になるだろうか…

私の前に部長様が現れた。


「そんなに俺に抱かれたかったか?」

『なにあほな事言ってんの?
 ここは昔から通っているお店なの…
 健太郎が帰って!!』

「ふーん。奇遇だな。この店は俺の知り合いの店なんだよ。
 できた当初からの常連なんでな。」

『そっ。。。じゃあ、私は気分よくなったから帰るわ』

私は、立ち上がろうとした…

視界がぐらっと揺れた…

健太郎が私の腕を持っているからだ。



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