Buring&Love
やっぱりこういうのはあたしにとって慣れない。
気持ちの良い朝の透き通った空気を
肺いっぱいに吸い込む。
『優姫、早く行くよ。』
「はい!」
彗の後を少し小走りで追いかける。
受付にはまだ誰もいない。
閑散としたロビー。
昼間とは少し違う社内。
エレベーターに乗って、最上階まだ上がる。
そこだけ、全部が社長室のフロア。
あたしは合鍵を使って、
施錠を解く。
ドアを開けて、彗が入るのを促す。