Buring&Love
このイスにいつも座っているのに。
だけど、今日はいない。
「・・・・。寂しい。」
なんて声にしてみたら、余計寂しくなった。
そっか。
あたし、物心ついたころから彗と一緒だった。
だからだろうか、
初めてだ。
彗とこうして離れているのは。
「寂しいじゃんか。」
まだちょっとも経っていないのに。
あたしただの弱虫じゃんか。
ソファーに腰を下ろし、
ひざを抱え込む。
ブーブーブーブー…
鞄の中のマナーモードにしてあった携帯電話が振動する。
(誰。)