Buring&Love
その場に蹲り、一人声を押し殺して泣く。
遠く遠く、どこまでも遠く君と二人でいられると思っていた。
馬鹿みたいに勘違いしていた。
それが当たり前だと思っていた。
幼馴染だということを買い被っていた。
それを除けばあたしとあなたはただの他人だった。
少し離れただけでそんな事に気づくなんて。
寧ろ、彗のこと今までどうしてもっと大切に考えなかったんだろう。
その気持ちに気づいてしまったら蓋をして、
見えない鎖で縛り付けて。
心の奥底にしまっていたんだ。
彼のことは好きになってはいけないって。
でも、思う。
あたしはこの人しか知らない。
好きという気持ちも、
愛しいと思う感覚も、
何に変えても守るっていう思いも。
ぜんぶ、全部。