Buring&Love
ゆらゆらとすっかり冷め切ったコーヒーを持って、
ソファに舞い戻る。
泣きはらした目は真っ赤になっているのが鏡を覗き込まなくても手を取るように分かる。
お気に入りのレースのクッションを抱きかかえるようにして、携帯電話を手に取る。
履歴から、彼の電話番号を表示させて、少し悩んで携帯電話の電源を落とす。
( 駄目だよ。今こんなことされたら誰だって迷惑だもの。)
大切だから失いたくない。
そういう気持ちには気づいていた。
彼が帰ってきたら、
全てを話そう。
あたしの気持ちを素直に伝えよう。
それで、たとえ彼との関係がもう修復不可能なものになったとしても。
あたしは悔やまないだろう。