Buring&Love
リンリン――――…
内線のレトロな音が響き渡る。
さっと手に取り、耳に押し当てる。
「はい、こちら社長室でございます。」
『優姫?』
ああ、この声だ。
あたしが一番聞きたかった声は。
「はい、社長お帰りになりましたか?」
『うん、今下にいるんだけれど、荷物多いから迎えにきてくれない?』
「ただいまお迎えにあがります。」
言い切って、あたしは部屋を出てエレベーターに乗り込む。
会いたい。
今、あなたに会いたい。