Buring&Love
彼と彼女の攻防戦
仕事を終えて、まっすぐ帰途に着く。
もう家の灯りがついている。
優姫が家にいる。
そう考えると無性に嬉しくなる。
はやる気持ちを抑えて、
ドアノブをまわす。
『ただいま。』
「あっ!」
そんな間の抜けた返事とともにパタパタと駆け寄ってくる足音。
「おかえりなさい。」
はじけたスミレのように笑うお姫様がそこにいた。
その笑顔が堪らなく愛しい。
靴を脱いでスリッパに履き替える。
『今日のご飯はカレー?』
匂いだけで、当ててみると、
「ばれたかー。」と悔しそうな声が振ってくる。
「だって、彗カレー好きでしょ?」