Buring&Love
愛と贈り物
ピピピピ――――
小鳥のさえずりに似たアラームが5時を告げる。
そっと隣で眠る彗を起こさないように、アラームを止めベッドから抜け出す。
結婚してからというもの。
私は秘書を一度離れ専業主婦をさせていただいている。
もとより、家事が苦手なあたしは悪戦苦闘なんのその。
カーディガンとエプロンを羽織り、キッチンに向かう。
朝食とお弁当のをこれから行うわけだが、
何しろレパートリーが少ない。
それでも文句も言わず、いやむしろご満悦でお弁当を食べてくれる夫には幾分申し訳ない。
卵をパックから取り出し、殻が混じらないように慣れない手つきで割ってかき混ぜる。
何度かに分けて、卵をフライパンに流しいれ玉子焼きになるまでにはかなりの時間を強いる。
それから赤ウインナーに切り込みをいれ、軽く焼いてから、ゴマの目をつけて、いわゆるたこさんウインナーに仕立てる。
それから、とりあえずお味噌汁をあつらえ、
何とか鮭をグリルで焼き、お新香を切り終えたところでだんなさんが起きてきた。