Buring&Love
間延びしたのんきな挨拶が
沈黙を破った。
誰?なんて思って首だけそっちに向ける。
(げっ・・・。)
『社長ー。なんか愛【あい】にもお手伝いできることありますー?』
『ない!ない!全力で帰って?』
最悪だ。
静寂を破ったやつがこれか。
これならさっきのままのほうが幾分ましな気がする。
「社長、私副社長のところに
行って参ります。」
(えっ?何でこのタイミングで出て行く。)
『あぁ?そう?』
「失礼しました。ごゆっくりと。」
(ごゆっくりって、何をー)
なんて俺の心の声は勿論優姫には届かない。