Buring&Love



間延びしたのんきな挨拶が
沈黙を破った。




誰?なんて思って首だけそっちに向ける。





(げっ・・・。)




『社長ー。なんか愛【あい】にもお手伝いできることありますー?』





『ない!ない!全力で帰って?』





最悪だ。




静寂を破ったやつがこれか。





これならさっきのままのほうが幾分ましな気がする。






「社長、私副社長のところに
行って参ります。」




(えっ?何でこのタイミングで出て行く。)




『あぁ?そう?』




「失礼しました。ごゆっくりと。」





(ごゆっくりって、何をー)





なんて俺の心の声は勿論優姫には届かない。



< 57 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop