Buring&Love
そうなのだ。
今はまだ4時半。
そんなにすぐ行ける訳がないだろう。
『今、優姫のマンションの前にいるんだけど。』
えっ!
驚きで、最早言葉にならない。
こんな早朝から電話をかけてくるだけでも、
かなりな迷惑なのに、
今すぐ出て来いってか!
「わかりました、今すぐ参ります。」
『じゃぁーねー』
間延びした返事を響かせ、
あたしの怒りのボルテージをMAXまで上げた社長。
急いで、顔を洗い、
着替えし、髪を整え、ナチュラルメイクを施す。
爪も急いで整える。
どんなに忙しくても、
秘書として身だしなみは整えなくてはならない。
今日のスケジュールを確認し、
鞄に手際よく荷物を詰め込む。