Buring&Love
「ありがとー。」
簡単にそれを伝えるとあたしは通話終了ボタンを軽快に押した。
玄関先で鏡にもう一度自分の姿を映し、
おかしいところがないかチェックする。
(よしっ!)
ハイヒールを引っ掛け彼の待つ駐車場に向かう。
ここら辺にはないような海外車種。
窓を開けて、こちらに来いと手招きをする彼。
何故か今日はサングラスも装着している。
あたしは小走りで、車に駆け寄った。
助手席のドアを丁寧に開けて、
この車の主を盗み見る。
「ぉ、おはよー。」
『さっきも電話していたのに、今更おはようって。』