Buring&Love
言ってほしい。
今の言葉の続き。
教えて欲しい、その音。
そっぽを向いてハンドルを右に切った。
『もう、着くから。』
「・・・。うん」
心地良いとは言えない沈黙がしばらく続くと、
目の前には大きなビニールハウス。
その隣のガレージに似合わない車を手際よく駐車させる。
色素の薄い彗の髪に、日の光がキラキラと輝く。
ハンドルを握る血管のういた綺麗な手。
それでも、あたしとは違って男の子らしいゴツゴツとした大きな手。
(一緒だったのにな・・・。)
小さいころは同じだったのに。
どうして。