Buring&Love
すると、品のいい顔をくしゃりと緩めて、
『今日は早く起きたから、頑張ろうかと思って。』
「左様で御座いますか。」
要するに気分屋さんなのか。
慣れっこだけれど。
『ねー優姫、さっきのキスは?』
「社長、そんなこと私には出来ません。」
『優姫、二人のときは名前で呼ぶって約束だよね?』
妙に威圧感の在る態度で、
あたしに命令形のそれを言う。
「ですが・・・。」
『敬語もなし。』
なんていう無茶ぶり。
『社長命令。』
こういうときに限って、
そういう権限を使う。
「わかった。彗【すい】。」