Buring&Love
言い返してみれば優姫は顔を真っ赤にして、
こちらを向くから堪らなく抱きしめたい衝動に駆られた。
理性で自制。
ふわりと優姫の頭に乗せていた手をどければ、
残った温もりに甘えたくなる。
「ねぇっ。」
急に俺のスーツの裾の端をつかんでくるから、
バランスを崩す。
それでも『どうしたの』なんて聞き返してみれば、
黒目がちの大きな瞳を向けてこちらに口を開く。
「あたしはいつまで
こうしてていいの?
この仕事も、
生活も、
幼馴染の関係も。
ぜんぶ、全部。」