ましゅまろハート
約束の1時半。


飛びきりの嬉しさと

しかしどうしたらいいのか

という不安と、

感情が複雑に交差しながらも、

少しでも早く

美波さんの所へと

全速力で走った。


購買部の前に立つと

俺は大きく深く

深呼吸を2,3度し、

乱れた髪をさっと手直しし

自動ドアを開けた。


毎日、いや、

時間がほんの少しでもあれば

ここに来ているから、

この店内のことは

すべて記憶している。


どの商品がどの棚にあるかなんて、

もしかしたら

店の人よりも詳しいかもしれない。


俺は店内を軽く見渡してから

レジへと向かい、

そこに立つオバサンに

美波さんを呼ぶように伝えた。



< 101 / 164 >

この作品をシェア

pagetop