ましゅまろハート

俺、美波さんの手作り弁当、

食いたいっす！


そんな俺の心の叫びはいいとして、

俺たちは適当に座席を選び始めた。


美波さんが選んだ席は

壁側の隅っこの席だった。


きっと他の人の目が

気になるのだろう、

なんだか美波さんらしい。


「ちょっと待っててください。

　俺、取ってくるんで」


そう美波さんに言い、

俺はダッシュで定食を取りに行った。


今日の定食は、

唐揚げとポテトサラダ、

それにご飯と味噌汁、

漬物だ。


それらをトレーにのせて

美波さんの正面に座った。


「じゃ、食べよっか」


美波さんの言葉に

俺は「はい」と言うなり

がっついた。


そんな俺の姿を見て

美波さんはにっこりと笑って、

「タクトくんだと、

　作りがいがありそう」

と言って

黄色に輝く綺麗な卵焼きを

一口かじった。


「そういえば美波さん」


俺の呼び掛けに

美波さんは首を傾げる。