ましゅまろハート
「あら、タクが素直に

 返事するなんて。

 どうしたのかしらねぇ」


キッチンから母親が

顔を覗かせながら言う。


俺は言われた通りに

下駄箱から郵便物を取り、

2階の部屋へと向かった。


部屋に入るなり

バッグも郵便物も

そのへんにどさっと置き、

ベッドに身を預けた。


天井を見上げながら、

さっきの光景を思い出す。


秀一の俺をさげすむような目。


勝ち誇ったかのように

にやりとした

言いようのない笑顔。


そして―――



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