ましゅまろハート
「……よって、このように……」


経済基礎演習の講義。


必修科目なのだが、

担当教授の口調が

回りくどくて、

まるで子守唄を

聞かせられているような気分だ。


出入口近くの席で、

廊下から入る

ひんやりとした風に

当たりながら、

俺は昨日の場面と

さっきの美波さんの言葉を思い返す。


美波さんはあいつ、

秀一とは終わっていると言っていた。


でも昨日のあいつの言動は、

客観的に見ても、

まだ美波さんの事を

想い続けているはずだ。



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