ましゅまろハート
想いの全てを叫んだ俺は、

肩が上下するほど

息があがっていた。


すると、ふふっとあいつの

笑い声が聞こえてきた。


「何が可笑しいんだよ!」


俺があいつに向かって怒鳴ると、

あいつは笑うのを止め、

「でも、残念。

 美波は、僕のもんだ」

とさらに強く

美波さんを引き寄せた。


俺は我を忘れて

美波さんをあいつから引き離そうと

美波さんに近付き

「離せ!」と叫ぼうとした時、

「もう、止めて!」

美波さんが

あいつの腕を振り解きながら、

今までに聞いたことのないほどの

大声で叫んだ。


「本当に……

 もう、止めて……」



< 150 / 164 >

この作品をシェア

pagetop