ましゅまろハート
「じゃあ、僕と結婚……」


美波さんはその言葉を

かき消すように

大きく首を横に振った。


「私の、私の気持ちは、

 秀一さん。

 あなたには、もうないの」


しっかりとあいつを見ながら、

美波さんは

確かめるように言葉にした。


それを訊いた瞬間、

あいつは「くそ」と言い、

後ろを向いた。


俺はどうしたらいいのか分からず、

ただその場に立ち尽くしていた。

すると美波さんは

2,3度深呼吸してから話し始めた。


「私……」


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