ましゅまろハート
必死な様子にヤナも

少しは俺の心情を

汲み取ってくれたらしい。


珍しく真面目な顔をして

俺の両肩をがしっと掴み、

「よし、俺もそのコ探すの、

 協力するよ」

と力強く言った。


「本当か? すっげー助かる。

 サンキュ、ヤナ」


俺の言葉にヤナは

“任せとけ”と言わんばかりに

ウインクをする。


「で、そのコの名前、

 知ってんのか?」


「あぁ。

 ネームプレートに

 “林美波”って書いてあった」


そう答えるとヤナは

ぶつぶつと彼女の名前を呟く。


俺は構わず言葉を続ける。


「昨日、

 空き時間に書籍部探したんだけど、

 彼女、いなかった」




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