ましゅまろハート
ただどのメニューも

ワンコインでお釣りが

返ってくるのは嬉しい。


俺は入口で呼吸を整えると

ゆっくりドアを開けた。


まだ午前中とだけあって、

両手で数えられる程の

学生しかいない。


厨房は仕込みの真っ最中なのか、

調理器具や包丁の音が響いている。


俺は目を凝らすように

じっくりと端から見て回った。


さすがに学生が座る場所には

見当たらない。


じゃ、厨房の中か?


そう思いながら

中で働くオバサンに

気付かれないよう、

細心の注意をはらって

厨房の中を覗く。


場所を少しずつ変えながら、

見落としのないように

じっくりと。



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