ましゅまろハート
すると小さなパン屋さんのような

可愛らしい建物が見えてきた。


「おい、タク。こっちだよ」


ヤナはなぜか

身を潜めるように

木の陰に隠れていた。


「ヤナ、サンキュ。

 彼女、ここにいるのか?」


俺もヤナに倣って木陰に隠れる。


「みてぇだよ。

 どうやら、ここの店員らしい」


彼女は購買部の店員なのか。


じゃあ、

なぜあの時は書籍部にいたんだろう。


「てかさ、彼女、

 めっちゃ可愛いのな」


ヤナの鼻の下が伸びきっていて

顔に締まりがなくなっている。


だから、

お前のその女好き、直せよ。



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