ましゅまろハート
美波さんに追い出されるように

俺は購買部を出た。


重い足取りで次の講義である、

『日本史概論』の

教室へと向かう。


幸いなのか、

その教室は購買部から

一番近い位置にあった。


―――大人の女性をからかわないで―――


美波さんの言葉が

俺の頭の中を占拠する。


俺、軽くあしらわれた?


本気にされなかった?


そんなに俺の言葉は

軽いものだったのか……。


俺の想像していた展開とは

全く違う美波さんの反応に、

俺はすっかり自信を

なくしてしまった。



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