ましゅまろハート
「そこの君!

 一体どうしたんだね」


准教授の怪訝そうな顔を見て、

俺は思わず立ち上がり

頭を下げた。


「すみません。

 何でも、ないです」


「……以後、気を付けるように」


「はい、すみませんでした」


今度は深く頭を下げると

俺は素早く席に座った。


もしかして、

一言じゃ信憑性に

欠けるのかもしれない。


だったら、機会がある毎に

何回も言うのはどうだろう。


美波さんにこれでもかと言えば、

いつかちゃんと

俺の気持ちが伝わるんじゃないか。


きっとそうだ。


そう確信しながら、

俺は准教授の話に耳を傾けた。


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