お姫様は最強です








「また変なこと考えてるだろ。」

 なっ!

 変なことなんか考えてないし!

「失礼な!考えてないよ!」

「嘘つけ。空耳とか何とか、考えてただろ。」

 なんだと~~~。

 この私がそんなこと考えてたと思ってたの?

 考えてたに決まってるでしょうがーーーーーー!

 ……と、心の中では言ったものの、実際には恥ずかしくて、

「そんなこと考えてなかったし!」

 なんて言っちゃって……。

 だって、恥ずかしいんだもん!

「……じゃあ、結奈が『嬉しいな』って言ったのは空耳かな?」

 えっ?!

 スルーしてくれないの?! 
 
 空耳かな?って……

 んなわけないでしょ!

 ……もう…言っちゃったもんはしょうがないし………正直に言うか。

「空耳じゃないよ、確かに言った。けど!別に変な理由で言ったんじゃないから!」

「じゃあ、どんな理由?」

 竜也が首を傾げながら言う。

 ちっ、そうきたか。

 どうしようかな……

 『好きだから』なんて言ったら絶対ダメだし……

「……パ、パシり!」

「は?」

 ……ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 思いつかなくて変なこと言っちゃったーーーーーー!

 これこそ変な理由じゃん!

 私のバカーーーーーー!

「……バーーーーーーカ。」

 うっ!

 私が思っていたことを口に出して言わなくたって………

「パシりはお前だろ。」

「はい?」

 今なんと?

「パシりはお・ま・え。」

 パシりはお前…

 お前……私……

 パシりは私ーーーーーー?!

「なんで私がパシりなの?!」

「俺をパシりにするなら、俺がお前をパシりに使ってやるって言うこと。」

 ……そんなこと、ニヤニヤしながら言わないでよ…………。

 変人にみられるわよ………。

「……な~んてな。」

 竜也が私のおでこをツンとつついて言う。

 はにぁーーーーーー!

 今ツンて!

 ツンてした!

 あわわわわわわ///////

「熱か?顔赤いぞ?」

 竜也の手が、私の熱を計るように、またおでこに触れた。

 指じゃなくて、手………

 さっきのツンで真っ赤っかだった私は、これ以上ないくらいの緊張で、カチカチに固まってしまった。

「熱はないな……。」

 とか言いながら、まだ手を話してくれない。

 しかも顔近いし。

 ……もう……………

 ダメかも………

「……って、結奈!…………」

 最後に竜也の声が聞こえて、そこで意識が途切れた…………。




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