お姫様は最強です
予期せぬ事態
~結奈side~
「──………ん、…………。」
目が覚めると、見慣れた天井が目に入った。
なんでここにいるんだろ……。
確かパーティー会場の外にいたはず………。
ていうか、そこで何か衝撃的なことが起こったような……。
…………なんか、思い出してはいけないような気がする。
頭の中で警告サイレンがなってるから寝よ。
……と、再び枕に顔を埋めたとき。
「──…あっ、結奈起きた?」
…頭の中で危険人物サイレンが鳴り始めたんだけど~。
「…起きたけど、何?」
毛布から目だけをちょこっと出して竜也をみた。
「何って言われても……急に倒れたからビビったんだけど。」
倒れた?
「呼んでも起きないから、おばさんに一言言ってつれて帰ってきたんだよ、俺が。」
……なぜだろう。
なぜ『俺が』の部分を強調して言ったの?
感謝しろってか?
礼を言えってか?
「礼はいらねぇよ。」
いらないんだ。
「で、もう大丈夫か?」
「うん、特に異常はないよ。」
「そうか、よかった。」
そう言って竜也は微笑んだ。
なんか、竜也って笑うとイメージ変わるなぁ……。
普段はすごいクールって感じに見えるけど、笑うとなんか犬みたい。
しっぽ振ってついてきそう………