お姫様は最強です








「────…結奈、俺そろそろ帰るわ。」

 さっきの私の逆ギ……反論から10分ほどたったとき竜也が言った。

「えっ?もう?」

「あぁ、もうこんな時間だし……。」

 こんな時間って……

「今何時?」

「ん~……10時半。」

 10時半なんだ~

 そっかそっか。

 10時半か~

 ……って、なるかーーーーーー!

「10時半って遅!私起きたの何時よ!えっ?えっ?なに?もう10時半なのに今まで竜也うちにいたの?!は?なんで?!」

「おいおい、落ち着け。」

 もちつけじゃないよ!…間違えた。

 落ち着けじゃないよ!

 10時半だよ?!10時半!

 竜也の家の人たち、心配するじゃない!

「……結奈…落ち着け。」

「…はい………。」

 一旦落ち着こう。

「まず、家には電話してるから大丈夫だ。」

 あっ、そうなんだ。

 よかった。

「それと、今までここにいたのは俺がいたかったから。わかった?」

「竜也がいたかったから?」

「そうだ。俺が勝手にいたかっただけだからパニックおこすな。」

 そういうことか!

 了解しました~。

「…じゃ、もうちょっといたいところだけど、仮にも女の部屋だし、あんまりいすぎるのもダメだろ。…また明日な。」

「竜也………仮にもはいらない。」

「冗談だよ。」

 もう!

 仮にもじゃなくて、正真正銘の女の子です!

 竜也は私に向かって微笑むと部屋をでていった。

「また明日ね~」

 竜也が出て行く寸前に言ったから聞こえてないかも……。

 竜也が出て行った後の部屋のなかは、シーンとしていて、なんだか少し寂しい感じがした。

「………明日…学校で話せるかな……────」









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