お姫様は最強です
「ちょっと待て。」
パシッ…
「えっ?」
私が部屋から出ようとドアノブに手をかけると、後ろから竜也の声がして、気づくと腕を捕まれていた。
「待て。」
「やっ……離して……!」
このままじゃ顔を見られてしまう。
泣きそうな顔見られたら、心配かけちゃう。
私は必死に抵抗した。
でも、男の力に勝てるはずはなく、いつまでたっても腕は捕まれたまま。
「ちょっと落ち着けって。」
落ち着いてられるかーーーー!!
こうなったら……!
「竜也、離さないとシメるよ。」
「……はい。」
ちょっと殺気を出しながら言うと、竜也は少し焦りながら手を離した。
「ちょっと着替えてくるね。着替え終わったらリビング行くからテレビでも見てて。」
そう言って竜也の部屋から出て行った。
捕まれた腕がジンジンする。
これはきっと痛いからじゃない……
竜也に触られたからかな……───