お姫様は最強です


 竜也が出てくるまでテレビを見て待つことにした。

 ……全然内容が頭に入ってない…!

 入るわけないじゃん!

 二人だよ?!

 今思ったけど、普通はこんなことないよね?!

 私の家に身内がいなくて、身内じゃない、しかも男の人がいるなんて!

 世の中探しても多分見つからないよ?!

 しかも好きな人だし!

 ……やっぱり意識しちゃうよね…。

 ──…ガチャッ…

 !!!!!

「な、なんだ竜也か…」

「人をお化けみたいに言うな」

「だって…急だったから…」

 いつ出たのか、ドアの前にはTシャツを着た竜也がたっていた。

 濡れている髪が妙に色っぽい……

「はぁ…まあいいや、それよりまだ寝てなかったのか」

 そういえば、今は午後11時。

 普段なら布団に入る時間。

 普段ならね。

「だって…私の部屋にベットないもん」

「そういえばそうだったな」

 今思い出したんかい!!

「竜也寝てていいよ、私はもう少ししたら寝るから」

「寝るって、どこで寝る気だよ」

「どこって……ここだけど?」

 私がソファーを指さしていうと、竜也が大きなため息をついた。

 なに?

「はぁ…おまえバカだろ」

 なっ…!

「し、失礼な!私は断じてバカではない!」

 人聞きの悪いこと言わないでよね!

「いや、バカだな。そんなとこで寝たら風邪引くに決まってんだろが。」

 じゃあなに?

 私に寝るなっていいたいのか?!

 ここ以外に寝るとこないんだから仕方ないじゃない!

「じゃあいいもん、寝ないから!ずっと起きてる!」

 寝るなっていうことなら寝ないでおいてやろうじゃない!

「はぁ………世話が焼ける奴だな」

「えっ?」

 そういって私に近づくと、膝の下に腕を入れて、そのまま上に持ち上げた。

 いわいるお姫様だっこ状態。

「きゃっ!ちょっと竜也、なにすんのよ!」

「なにするって、ベットつれてってるだけ」

「ベットなんかどこにもないよ!」

「俺の部屋にあるだろ」

 俺の部屋って…あれは竜也のベットじゃない!

 無理無理無理無理!

「竜也はどこで寝る気なの?!」

「どこって、部屋だけど?」

 一緒に寝るの?!

 ダメだって!

「嫌だ…「ちなみに拒否権なしね。母さん達からの手紙にも書いてあっただろ?」

 あっ、忘れてた。

 じゃあ仕方ないね♪

 ……って、なるかーーーーーーー!!


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