お姫様は最強です




 私たちは観覧車の前までやって来た。

 やって来たのはいいんだが、組み合わせは?

「ねぇねぇ、みんな一緒に乗るの?それとも2人ペアにする?」

「う~ん、そうねぇ…二人ペアにしよう!」

「うん、了解。私、美緒と乗りたいな~」

「なに言ってるの?結奈は竜也くんとに決まってんじゃん」

 ええぇぇぇぇ?!?!?!

「なんで?!」

「当たり前じゃん。こんな機会滅多にないんでしょ?だったら2人で乗らないと」

 そんなぁ~…

「美緒と乗りたかったな…」

「なに、竜也君と乗りたくないの?じゃあ私が竜也君と「ダメ!!」

「だったら竜也君とね」

 うぅ~

「…わかったよ……」

「んじゃあ決まりね。お~い瞬~、ペア決まったよ!結奈と竜也君がペアで、私と瞬がペアね」

「俺がお前と?」

「そうだけど。なに?不満なの?」

「そんなこと言ってねぇじゃんよ。ただ美緒と結奈ちゃんがペアと思ってたから言っただけだよ」

「あっそ。ごめんね、色気の欠片もない私とペアで」

「誰もそんなこと言ってねぇじゃねぇかよ…」

「あんたの顔に書いてあるの!」

「書いてねぇよ!まっ、確かに色気の欠片もないな」

「瞬のバカ!あんたなんか自分のことカッコいいと思ってるナルシのくせに~」

「なんだと?!自分で言ったくせに俺の悪口言うんじゃねぇよ」

「ほんとのこと言っただけじゃない!このナルシ~」

「おまえなぁ~」

「なによ~」

 美緒は素直じゃないなぁ…。

 もっと素直になればこんな喧嘩にならないのに。

「まあまあ、二人とも落ち着いて。早く乗ろうよ!もうすぐ夕焼けも見れると思うしさ!」

「うん…そうだね!乗ろっか!」

「結奈ちゃんが言うならしょうがないな。乗るか!おら、竜也も行くぞ」

「おぉ…」

 竜也どうしたんだろ?

 なんかペアを発表したあたりからソワソワしてない?

 どうしたんだろ?

 もしかして…トイレ?←違う


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