お姫様は最強です


「──……お客様、電話番号の交換は控えていただけませんか?」

 はぁ?

 誰だあいつ?

 よく見るとそいつは河原とかいうやつだった。

 確か、学級委員だったっけ?

 俺がそんなことを考えているうちに言い合いは終わったようで、結奈は教室から出ていった。

 大丈夫かな?

 こっちも大丈夫か?

「お引き取り願えますか?ご迷惑になるので。」

 こいつ、以外とすげぇ……。

「あぁ?こっちは客だぞ?てめぇのせいで結奈ちゃんどっか行っちまったじゃねぇか!」

 さっきより怒ってねぇか?

 まぁ、当たり前か。

 河原にあんなこと言われたらからな。

「交代の時間でしたので。予定通りにしなければ営業に支障がでてしまいます。それに、無理やり番号を交換させられようとしている人をクラスメイトとして見過ごすわけにはいきません。これ以上ここで騒がれては他のお客様のご迷惑になります。苦情等がございましたら別室でゆっくり僕が承ります。いかがですか?」

 こいつさらっとカッコいいこと言ったよな?!

 男の俺でもカッコいいと思ったぞ。

「ちっ。こんな店二度と来るか!」

 そういってヤンキー(のようなやつが)教室から出ていった。

「──申し訳ございませんでした、どうかごゆっくりお過ごしください。」

 河原もそ言い残すと教室を出ていった。

 それと同時に教室は何事もなかったかのように、またにぎやかになった。

 文化祭はこんな事があるからいやなんだよな……。




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