大切な存在
『ちょっ、笑わないでよ』
「結菜は高校生になっても
相変わらずドジだな。
俺、もう終わったから使いなよ」
そう言って
悠は消しゴムを差し出してきた
『あ、ありがとう…』
「どーいたしまして」
珍しく優しい悠に感動しながら
消しゴムを受け取る
――ん?何か付いてる…
そこには…
<貸し"1"だから>
と書かれた付箋がくっついていた
――や、やられた!
悠は小学校の頃から
貸し"1"などと言っては
その度に私にジュースをおごらせてきた
私は今までに
悠に何本のジュースを買わされてきたことか・・・!