大切な存在



しかも

その使い込まれた小さな消しゴムは

ゴロゴロと今もなお

私から遠ざかっていく



『と、止まって!』



その小さな声が届いたのか

私の消しゴムは

ようやく止まってくれた



だがそれはもう

手が届くはずもない

教卓の下へと転がりこんでいた


――どうしよう!


まだ40分もあるのに…


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