アタシ。
「ほんとに送ってかなくて大丈夫か?」
「大丈夫だよ、まだ明るいし!」
「んじゃ気を付けて帰れよ
あとなんかあったらすぐ電話しろな」
秀二の家は学校から20分で着く
アタシの家は秀二の家から10分程
歩いた先にある駅から電車に乗り
3駅目のK市にある
いつもは学校から2・3分で着く駅から
帰っているが秀二と帰る時は
こっちの駅を使っている
「じゃあな~、夜メールするわ」
そう言って、笑顔で手を振る秀二
「うん!ばいばーい」
同じようにアタシも手を振り返した
秀二はアタシが歩き出しても家に入らない
いつもアタシの姿が見えなくなるまで
見送ってくれるのだ
秀二は優しい
秀二はかっこいい
秀二は楽しい
秀二はいい奴
だけど
"好き"と言う感情が湧かない
秀二はアタシのこと本当に好きなのかな
ただ、周囲が造り上げた永倉碧と
付き合って自慢したいだけなのか
こんなことを思ってしまう
アタシは彼女失格に違いないだろう