密フェチ†苦い蜜【ガーターベルトシリーズ】
あなたが欲しい
「淫乱だと思っていたが相手かまわずとはな」
「っ、だから違うの…」
---なのに思わず目を伏せてしまったのは
彼以外の人の熱を一瞬でも気持ちいいと感じてしまったのが、事実だったから。
就業後の会議室の椅子に長い足を投げ出して座り
私を冷めた視線で見上げる人。
私が愛しているのはあなただけだと言葉を尽くしても…
眼鏡の奥にさげすみを滲ませた、彼の眼差しは変わらない。
「俺は潔癖症でね。他人と同じモノを使いまわすなんて、ごめんだ」
「…ま、松下君には、キスされただけ、信じて」
(どうせあなたは私にキスなんてしないでしょ)
そんな言葉を、涙と一緒に飲み込む。
「いずれにせよ---もうお前にその気にはなれないな」
「っ!!」
頭の中が真っ白になる。
気がつくと、私は自らスカートの裾を持ち上げていた---