光の射す方へ



11時15分を過ぎた頃、歩太が店から出て来た。



私は、不安な気持ちを隠し、歩太に駆け寄った。



「歩太っ!おつかれ〜!」



振り向いた歩太は、明らかにビックリしている。




「・・・リカ?・・・何でいるの?」



「歩太、お誕生日おめでとう!!」



「・・・ありがとう。」


歩太の顔を見たら、さっきまでの不安なんて、どっかへ飛んでったよ・・・。



歩太、喜んでくれてるよね・・・?



「歩太、お腹すいてる?今日は私がご馳走してあげるよ!!」




そう言って、歩太の自転車まで、手を引いた。




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