光の射す方へ


私と歩太は、バックルームに戻り、料理が出来上がるのを待った。



「宝来くんも、フリーター?」



「・・・。」



「宝来くん、何歳?」



「・・・。」



「宝来くん、お家、ここから近いの?」


「・・・。」



何を聞いても、歩太は返事をくれない。




「リカ、従食出来たよ!」


料理が出来上がった事を伝えに、美月がバックルームへとやって来た。




「ありがとう〜。取りに行くよ!」



私が席を立つと、歩太も、腰を上げる。


「いいよ。取ってきてあげる。」



私は、そう言うと歩太を残し、美月と調理場に向かった。



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