光の射す方へ
歩太はゆっくりと、私の体を引き離すと、着ていたTシャツを脱いだ。
そして、背中を向けた。
息が止まってしまうんじゃないかと思った。
歩太の背中には、タバコで焼かれた様な傷跡が、無数にあった。
私は、震える手で、そっと歩太の背中に触れた。
ビクッと歩太の体が跳ね上がる・・・。
「・・・痛い?」
歩太は、ゆっくりと顔を私の方へ向けると、
「痛くないよ・・・。」
と、言った。
私は、もう一度、歩太の背中に触れた。
そして、その背中に、そっと顔を近づけて、キスをした。
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