光の射す方へ
目が覚めると、歩太はまだ、気持ち良さそうに眠っていた。
そんな歩太の、頬にキスをすると、私は歩太を起こさない様に、そっとベッドを降りて、シャワーを浴びに、お風呂場に向かった。
シャワーを浴びながら、私は昨日の出来事を思い返していた。
歩太が話してくれた、辛い過去。
私は、歩太の痛みを取り除いてあげる事が出来るのだろうか・・・?
無力な私は、きっと何もしてあげられないだろう・・・。
それほどに、歩太の心の傷は深い。
でも、私は歩太の傍にいたいと思った。
愛される事に慣れていない歩太に、私の愛を伝えたいと思った。
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