光の射す方へ
「おはようございま〜す」
「おはようございます」
私と、歩太は、出勤時間が同じ日は、一緒に行く。
私達が付き合っている事は、今は店のみんなが知っている。
「リカ、宝来くん、おはよ〜!今日もラブラブ?」
美月にからかわれるのも、最近は少し慣れた。
そんなある日、仕事前に、私は店長に呼ばれた。
「リカちゃん。宝来くん、最近はみんなとも、いい感じだし、そろそろドリンクの仕事、覚えてもらおう思うんだけど、どう思う?」
「はい!大丈夫だと思います!」
1つの職場に、あまり長く務めた事がなかった歩太は、『海賊』に来てからもうすぐ4ヶ月が経つ。
頑張っている、歩太の事、ちゃんと店長は、見てくれている。
「じゃあ、今日から早速やってもらうから、教育係はリカちゃん、やってくれる?」
「はい!」
ドリンカーの、仕事は、覚えるまでは大変だけど、歩太には、1番合っている様な気がする。
「こっちがビールで、こっちが発泡酒。
これが、奥に押したら炭酸で、手前に引いたら焼酎が出る・・・
・・・分かる?」
私の説明を、一生懸命聞いて、「うん、うん。」と頷く。
そんな歩太が可愛くて、私は仕事中にも関わらず、何度も歩太の頭を撫でた。
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