光の射す方へ



家に着くと、私は簡単な夕食を作る。



それを歩太は隣でじっと見ている。



飽き始めると、歩太は、後ろから抱きついてきたり、「あ〜ん」と言って味見をしたりと、私に構ってくる。



「あゆ〜、もう出来るから、あっち行ってて?」



私がそう言うと、しょんぼりしながら、部屋に戻って行く。


最近、歩太は、私に甘えてくれる。



「歩太、おまたせ!」



私が、出来上がった料理を持って、部屋に戻ると、少し拗ねた歩太がいる。



「あゆ〜?食べるよ?」



そう言っても、歩太は、そっぽを向いて、こっちを見ない。


そんな歩太の扱い方を私は覚えた。



ほっぺにキス。



「ばかっ!やめろよっ!」



って言いながら、歩太は、ご機嫌で食べ始める。



食べ終わって、洗い物をしている時も、


「リカ、まだ終わんないの?」


と、部屋から私を呼ぶ。



「歩太、手伝ってよ!」


って私が言うと、


「しょうがねーなー」


なんて言いながら、嬉しそうにキッチンにやって来る。



歩太、可愛いすぎだよ?




.
< 170 / 254 >

この作品をシェア

pagetop